2009年6月23日火曜日

毛がにのエサ



4月に始まった網走の毛ガニ漁は、前半戦はいままでにないほどの好漁でした。
6月に入りいよいよ後半戦が始まったわけですが今日まで大漁で推移しています。


さて、毛ガニの漁をするときに欠かせないのが「エサ」です。
使うエサは漁師さんにとってみればいわば企業秘密。
本当はナイショなんですが、今日は特別に大公開しちゃいます。

エサの基本は「イカ」です。イカの内臓(ゴロ)が水中にやんわりと溶け出して、広範囲の毛ガニを誘い出します。
エサとしては最高なんですが、最近ちょっと価格が上昇気味です。


価格面で安いのがこの魚「ウグイ」。


皮に厚みがあって身が崩れにくいので、水中でも長持ちするのが特徴です。




変りダネなのがこの「オオカミウオ」ですね。
とても獰猛な魚で貝でもカニでも噛み砕いて食べてしまいます。
この魚に傷を負わされた漁師は数知れません。

カニカゴの中の毛ガニを食べに来ている所を、逆に人間に捕まってしまった哀れなオオカミウオ君。
その行く末は毛ガニのエサにされてしまうのでした。

なんといいますか、まさに因果応報、弱肉強食、ミイラ獲りがミイラになる、昨日のエサは今日の敵といった感じでしょうか。怖いですね~ ホラーですね~



これらの魚は一旦冷凍して使う分だけ海にもって行きます。
もって行く前に小さく切り分ける必要があるのですが、
イカやウグイならこのようにナタでブツ切りにするだけなのでカンタンです。


ガチガチに凍ったオオカミウオとなると人間の力では切ることができません。
そこで活躍するのがこの電動ノコギリです。

この電動ノコギリ、非常に便利なんですが欠点がひとつあります。
それは、しょっちゅうオオカミウオのミンチが顔に飛んでくること。
なにごともパーフェクトなものはそう無いようです。

2009年6月6日土曜日

昨日、網走漁協で


網走漁協では毎日8:30に「朝セリ」が行われます。
朝セリでは主に底引き船が獲ってきたタラやホッケ、ナメタカレイ、磯舟で獲る生ウニなどが売られます。

今日はウニが大漁か。網走の海は今日も平和だなぁと思っていたら向こうに人垣が・・・



足の間から見えるのは大きな白いかたまり。
なんだあれは、雪山?この季節にそれは無いだろう。じゃあ一体?


滅多なことでは動じない浜の男たちが見つめるその先には・・・


ド~ン!!!!
そこには超巨大な魚が横たわっていました。
その正体は長さ2.1M、重さは実に165kgのスーパービッグサイズのオヒョウでした。



私がいままで見たのはせいぜい20~30kgクラス。これは明らかに桁違いの大きさです。


このオヒョウを獲った船の方によると、20年ぐらい前まではこのクラスのオヒョウが獲れていたそうですが、最近では滅多に獲れない超レアものだそうです。


「な~に食ったらこんなにおっきくなるんだべ」そんな事を言っている声が聞こえたのでちょっと調べてみました。すると、小さいころはタコやカニなどを大きくなるとマダラやスケソウタラなどを食べているとのことです。う~ん食べてるものは私とあんまり変わらないなぁ。なのになんでこの図体・・・きっと食べる量が違うんでしょうね。

調べついでにもう一つ。北米のほうではこのクラスのオヒョウを釣る事ができるそうで、結構いろいろなブログやホームページで紹介されていました。ただ、それらのページで必ずといっていいほど書いてあるのは「暴れるオヒョウの尾に打たれて死人が出たことがあるので、船上に挙げる前に銃で打つ」というなんとも物騒なお話でした。網走の場合は大丈夫だったのかな。少し心配です。

2009年6月5日金曜日

海の珍道具集

網走の漁師には常識、一般人には「?」なモノをご紹介する『海の珍道具集』。
今回のお題はコチラ!!


さあ、これはなんでしょう。一見すると包丁やナタの仲間に見えますが刃物ではありません。 刃は付いていませんが半分より左側は金属でできています。


金属の部分を拡大すると先端には階段状になっています。
そしてもち手の側に向かってゆるやかにアーチを描いています。

さあさあどんなことに使う道具か解かりますか?

解からない?ではヒントを差し上げましょう。
ヒントは、船の上で使います

それではシンキングタイムで~す。

は~い、ここでタイムアップで~す!!
それでは正解を発表いたします。
正解は「毛がにのサイズを測るスケール(定規)」でした。

網走では、毛ガニを市場に出荷する際に甲羅のサイズに応じて大・中・小の3つのランクに分ける事になっています。 そのときに活躍するのがこの道具(現場ではものさしを短縮して単に「サシ」とよんでいます)なのです。



測り方はこう。まず柄に近い部分を甲羅のお尻側に当てます。



次に目の間の部分の甲羅にサシの階段状の部分を当ててサイズを決めます。

一番外側の階段に掛かったら「大」、二番目の階段なら「中」といった具合です。
上の写真の毛ガニの場合は3番目の段に掛かっているので「小」になります。

そして一番下の階段にも掛からない程の小さい毛ガニ(8cm未満)は海に帰さなければなりません。


見た目は貧相なこの「サシ」。金属をギザギザに加工しただけの単純な物ですが、”網走産毛ガニの品質向上”と”限りある資源の保護”という重要な役割の一端を担っているのです。そう考えると結構すごいモノに見えてきませんか?

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